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   おくちは災いのモト

Out of the mouth comes evil.

「農家に婿入りした男のブログ」より

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「想像するって大事やね」

今日は、福島県いわき市在住の農家の婿さんのブログのご紹介です。
(もう読まれた方もいるかもしれませんが・・・)

この小さな国の同じ日本人として、彼の無念さ、悔しさ、悲しみを、
できるだけたくさんの人と共有したくて勝手に転載させていただきました。
この婿さん以外にも漁業、酪農業など自然から恩恵を受け、
わたし達の命のもとになる食料をつくり出してくださっていた方々の
気持ちを考えるといたたまれません。

何もできないわたしは、せめて彼の気持ちだけでも共有して、
自分自身の反省につなげたいと思います。

彼のこのブログの後日に書かれた記事も、
お時間のある方は読んでみてください。



(以下転載)

農家に婿入りした男のブログZ
http://ameblo.jp/noukanomuko/entry-10926646707.html

このブログの目的は、米の販売でした。
直売りルートを開発するため、地域密着サイト「じーも」に掲載していただいておりました。

そもそも「じーも」は亀有を中心としたポータルサイトで、地元の様々なお店を紹介し、地域で広く利用されているサイトです。

また、地元でかなりの数字を持っているサイトでもあり、僕は今まで馬鹿なことばっかり書いているブログを見てくれていた方々にお別れを、そして少しでも福島、特には農家の現状を知ってもらいたいと思い今回の記事を書きました。



その結果、大変ありがたいことに物凄い反響をいただきまして極めて純粋な個人的心情としては、本当に嬉しかったです。

しかし結果的に「じーも」のサーバに大きな負担がかかり、アクセスしにくい状況となってしまいました。

そこで、その負担を軽減し、ストレスなく見ていただけるよう、記事をこちらに引越しました。

ですので、これから見る方々は、出来ればこちらのほうを見ていただけると幸いです。リンク等も同様です。

また、ご意見等ある場合は、コメントしていただけば、なるべく返信するようにいたします。

おそらく質問等は特にないと思いますが一応念のため。

ツイッターはこちら→https://twitter.com/#!/noukanomuko



僕の愚痴・駄文を見て下さった方々、じーものスタッフの皆様には心から感謝申し上げます。

どうかよろしくお願い申し上げます。



以下に掲載する文は、冒頭のところが現段階で抜けています。崩落した云々の津波の部分です。

すみません。

また、このブログは過去記事みてもそうですが、基本的には一農民の愚痴の垂れ流しブログです。
たいそうなものでもなく、立派なものでもありません。ご容赦ください。





どーもどーも お久しぶりでございます。

やっと落ち着きました

今年初めてのブログですが

いきなりお別れの挨拶です。

婿です。



田んぼは津波にやられませんでした。

だから大丈夫かなと思いきや、まさかの原発アタック



このブログでも、

いわきに住んでます、いわきの米うまいっす、いわきの米買って下さい

とやっていた婿です。



もしやと思っていた方。

ビンゴです。



そしてウチの街は今こう呼ばれています 「最果ての街」

国道6号線

行政、経済機能が維持されている最北の街だからです。



だからウチの家も田んぼも当然のように30km圏内




そんな婿の近況

ウチは規模が大きめなので、毎年、播種は4月5日、10日、15日と3回に分けてやっていたのですが、

今年は義母と議論して議論して議論して

作付を自粛することにしました。



理由は3つ


そもそもなぜ作付を議論する余地があるのかというと、4月23日、いわき北部は緊急時避難準備区域から外れ

30km圏内でも作付にGOサインがでました。


当時、作っても大丈夫なのか、土壌調査はしたのかと問い合わせた婿に対する農協や市のコメントは

「土壌調査はしてない(ウチの地域)けど大丈夫です。制限が解除されたので作ってください。」 でした。

(その時点で土壌調査されていたのは、あの広いいわき市でたった4か所)



作って、汚染されていたらどうなるのか、その買い取りに関しては責任を持ってくれるのかという問い合わせに対する返事は

「わかりません。あくまで自己責任で」 でした。

作らなかったら補償はどうなるか?と聞くと、対象になりませんという返事



要するに、

作んなかったら補償ナシな、だけど作っても俺たち知らねえから

でした。

どこの剛田さんとこの息子かと思いました。



理由1、作らなかったら0、作ったら赤字、だったら0のほうがマシ





このあたりの播種限界時期は4月25日と言われておりまして

4月23日に作付制限解除され、それから避難先から帰って、もみを買って、土を買って、箱を洗って、ハウスにビニールをかぶせて

ハウス内の草を刈って、整地して、機械を整備して、保温機を組み立てて、調整して、1700枚の苗箱に種を撒き切る

これらの作業を2日間で終わらせるのは無理でした。




理由2、時間的に無理ッス



そして3つめ、最後の理由

これが婿の中で一番大きな理由でした。




汚染されてないかもしれない、だけど汚染されてるかもしれない



そんな嫁に食わせたくない米を人様に売るわけにいかねぇっつーの



汚染されてる米が万が一流通ルートに乗っちゃったら、責任とれないです。

他人の健康を害するかも知れない米を売ったお金で生活する。

それは無理、無理っすわ




農家にだってプライドありますし、そんなもん出すくらいなら補償0のほうがマシじゃボケっ!




っつーことで今年は作付を断念

というか、廃業することにしました。





ここから下は愚痴&廃業理由





いわき市は一応商業地域でありまして、

行政の上の人達は避難地域に指定されなかったことで万歳してる感じです。

汚染されていたら困るわけですね、風評的に




だから、作付制限解除だけを前面に押し出して、いくら頼んでも要請しても

土壌調査にも来てくれないし、線量測定にも来てくれませんよ

数字が出ちゃうと困るんでしょう




だから頑なに動かない





今日、義母が興奮しておりました。

ウチの村のホットスポットらしき場所にある家の雨どい




180μSv/h




ですってさ

市も農協もなーんもしてくれないから、高価でちゃんとした線量計を業者さんから借りてきて

自分たちで測った数値です。



1日いたら年間被爆量超えるんスけど




周辺は2~3μSv/hだそうですよ




普通に飯館クラスなんですけど





そしてウチの裏山↓







いえーい 1.48μ







これは高価な機械ではなく、個人で持ち歩く簡易タイプをお借りして測りました

ちなみにこの時の最高時は撮ってないですが 2.61μ






山マジパネェ



その山に植えた梅はダメだなコリャ






まあ、国のみなさんは、そんな土地で土壌調査もせずに 「作物を作れ」 と言ってきているわけで



正直、頭がおかしいとしか言いようがないですね



ウチの市長も仕事してないですし





そんなこんな、なんもやってくれないので

集落みんなのお金で、数十万かけてこの村の土壌調査をすることになりそうです。

今日、今、担当の委員会が開かれています。

明日は村の委員会が実行方法について決定する予定です。





ビックリしましたか?

3ヶ月たつのに、いくら要請しても行政が全く動かないので

地域のおじいちゃん、おばあちゃんたちが田畑整備のために集めていたお金を使って土壌調査です。

業者の人に入って来てもらって線量測定です。




情けな過ぎて笑うしかないですね





ともかく、そんな土地で作付が許されています。

そう、いわき北部は、今年日本で一番原発に近い米所です。



そんな米、みなさん買いますかね?

買わないのが当然です。お子さんがいる家庭ではむしろ買ってはいけない





がんばろう福島?

安全で美味しい?

商品を買うことで支援?





クソ喰らえですね





福島県民が福島産買ってないんですよ?

こっちの直売所なんか下手したら以前の10分の1とかでしょう

スーパーだって福島県産の野菜、安すぎ、そして残り過ぎ





そして、流れぶった切りで申し訳ないですけど、会津地方はほとんど大丈夫かと勝手に思ってます。

なぜなら、フツーに関東より線量とか低いし、山脈最強です

そのかわり、山脈手前の郡山は悲惨なことに・・・







話を戻すと

どいつもこいつも無責任に過ぎます

風評被害ではなく実害だということになぜ気付かないのか





きちんと細かく丁寧に線量を計測して、

最低でも田畑1枚ごとの土壌調査をして、

出来た作物も検査して

ある程度の期間統計を出して

それらのデータを余さず公表して、誰でも閲覧できるようにして



それではじめて「安全です」でしょう






空間線量も測りに来ない、土壌調査にも尻ごみしてる

作物検査だって、民間の抜き打ち調査でスーパーに並んでいる商品からとんでもない数字が出てる

連続的データもなければ、データは「国民に公表するという発想が無かった」という名目の隠ぺい







今やってる土壌調査もどこまでものかわかりません

なぜなら、彼らは地表5cm~15cmの土をもっていくから

まだセシウムは1~2cmくらいしか沈着してないと学者さんが言ってんのに

5~15cmの土を持っていくことにどれだけ意味があるのか






他の地域の知り合いの話ですが、その人の田んぼから県が土壌調査名目で土を持って行ったそうです

結果は134、137、合わせて4000ベクレルほど

深いところから持って行くもんで不安に思って0~5cmの土を自分で採取し、検査を依頼しました

結果は35,000ベクレル

濃い部分だけなので、撹拌するともう少し数値は下がるでしょう




だけどどう思いますか

これが現在の福島県の現実です






どこがどうやったら大丈夫と言えるのか






買うのは自由、食べるのも自由です

買う人、食べる人には素直にありがとうございますです。心の底から。



しかしながら



福島の作物を買うのが支援で良いことで

それを否定する人は神経質で良くないこと





そんな風潮、こんな風潮を作りだそうとしている人達





心の底から反吐が出ます。






そしてこのブログを見ている方々に少しだけ安心材料を

いわき北部、元30km圏内では、作付制限が解除されたにも関わらず

ほとんどの農家が自粛、(若しくは自分のところで食べる分だけ)してます




しかし、一部では作付はなされています。

秋、検査の結果、どうなるかは知りません。

今のテンションだと、基準値超えても混ぜるのではないかと邪推してます。



混ぜて馴らして、手元に届くのは500以下だからいいじゃん!

今の対応を見てる限りそういう話になりそうで怖いです。



だって、いわき北部はおそらく9割くらいの農家が作付してないのに

農協も市も、作付しなかったお前らが悪いんだろ感マジパネェっすもん

補償はしねえし自己責任だボケと言われてしまうほど非常識な決断ですかね 自主的に作付しないっていうのは







農協も市もやるべき仕事が違うと思うんスけどねえ

農家ネットワークで聞く限りではいわき市30km圏内は9割以上作付してません

市に電話してみたら、その実態を未だに把握してないとのことでした

正常な判断能力を有してたら、普通はやるでしょそういうの

制限が解除された地域って日本中でココらへんだけなんだから




まあ、馬鹿だからしょうがないと

市長等、市政の意思決定する人達の頭が悪いとこんなにも苦労するのですね

いい勉強です。







それとは別に、現場の公務員の方々は本当に凄いです。

逃げずに残って市民のために踏ん張ってくれました。

震災から1カ月なんか24時間体制土日祝日ナンボのもんじゃ! でした

心から感謝します。





以上

少なくとも数年は実害、そしてその倍は風評被害

これに耐える経済的体力がウチには無いと判断しました

そんなこんなで廃業です。



去年まで、このブログを見てくれた方々

本当にありがとうございました。







それでは

最果ての街より

婿






ここから下は元記事に無かった部分ですが、ここまで読んでいただいた方

お願いですので読んでください。勝手言って申し訳ないです。




それこそ想定外に大事になってしまい、僕の記事の趣旨を誤解されるかたもいらっしゃるのではないかと不安になり書かせていただきます




コメント欄にも書いたのですが2点です





このブログは、あくまで僕の個人的な愚痴をこぼしてしまっただけのどうしようもないブログであって、人の役に立つに堪えうる内容だとは思ってないんです。
こんな大事になるとは思わず配慮に欠けたことも書いてますし。一部伝聞情報もあります(ウチの村のホットスポットのあたりとか)




僕はたまたま自粛したのですが、決して作った人が悪であるというようなニュアンスでとらないで欲しいのです。
あの時は国と県・市の連携もほぼ皆無(県の担当職員の情報源は国の会見や発表で県職員激怒だった)←マジです  で情報は錯綜、何が正しいかも分からず、稲作農家は例外なくギリギリの決断を迫られました。畑作農家については詳しく知らないので言及できません。


迷いに迷った時に、薄い根拠で背中を押した行政にモノ申したいとは思っても、僕は押されて作った人達をどうしても責められないんです。

モラルだとかプライドだとか、そういう要素も確かにあるのかもしれませんが、家族がいて食わせていかなくちゃならないんです。



なぜ作ったのか、それは見通しが立たなかったからです。

例えばきちんと一言



国だったら   「作るな、補償すっから」

市・農協だったら  「自粛しましょう、結果は断言できないけど一緒に戦いましょう」

この一言でどれだけ楽になれたか



県は言ってくれました。自粛しましょうとは言わなかったけど、ていうか言えなかったんだろうけど、「絶対国にきちんと求めますから!」と力強く励ましてくれました。そして実際国や東電に申し立ててくれています。

この一言もウチにとっては大きかった。



近隣の農家は作った人も作らなかった人も、今でも悩んで後悔しています。みんな疲れています。




「作った人は悪ではない」 決して僕が言ってることが正しいと主張したいわけではありません。

このブログはあくまで一農民の愚痴を撒き散らしたものであって、このブログの記事を、作った人を責める口実として使ってほしくないというお願いです。



八方美人で矛盾したことを言っているようですがこの二点だけはどうしてもご理解いただきたい。

どうかよろしくお願いいたします。



そして個人的にお願いした土壌調査の結果がとりあえず口頭で伝えられました(後で文書が来ます)

採取日は今週月曜日 ウチの田んぼ○○枚中、5枚の田んぼ各1か所の土壌の検査結果です。

セシウム134・137合計

5か所のうち2か所は 3500ベクレル程度

3か所は5000を超えました。8000近い数字です。



線量が高い地域に比べたらまだマシです

そのくらいでへこたれるなと言われるかもです。



だけど・・・

凹みます。

やはり出ました・・・ 

涙が出る・・・


東電は、全財産を売却して彼らを補償すべきです。
河野太郎議員も、送電線を国に売却して
そのお金で被災者を補償すべきだと言っている。
国も彼らを守る必要なんてこれっぽっちもないはず。
私利私欲を捨て、早く「ムラ」を解体し国民のために働いてください。



*7日午前に、玄海原発2・3号機の再稼動要請撤回を佐賀県玄海町長が表明。



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  1. 2011/07/07(木) |
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